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第43回シンポジウム:アピール文

【2019年1月8日 第43回シンポジウムにて発表】


2012年12月に成立した第2次安倍政権の下で、非立憲的な政治が横行している。それは、まず、秘密保護法、新安保法制、共謀罪の制定にみられるように、他国との戦争の可能性を前提とし、市民の精神の自由を抑圧することを容認する法制を作り上げたことに表れている。何も変わっていないように思えるのは、これらの法制が、まだ本格的に発動されていないからにすぎない。


この6年の間、防衛費は毎年増額され、2019年度予算の防衛省の概算要求は過去最大の5兆3000億円に達している。また、装備の内容も実質的な空母や中距離巡行ミサイルといった「攻撃型」に変化しつつある。つまり、安倍政権によって、日本国の基本的な「かたち」が変えられつつあるのである。


次に顕著なことは、手続を無視するという政治手法である。まず、2014年7月1日の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は、閣議決定によって憲法を実質的に変更するものであり、憲法上要請される正式な手続を無視したものである。このような適正な手続の無視は、安倍政権下において、もはや常態化している。新安保法制や共謀罪を制定するときにとられた強行的な手法、憲法53条に基づく野党の臨時会召集要求の拒否、森友問題、加計問題における説明責任の放棄も、すべて安倍政権特有の政治手法によるものである。


公正な手続を無視し、法による権力の統制を拒否するその姿勢は、辺野古の新基地建設工事を強行していることにも表れている。わたしたちは、沖縄県民がおかれている状況に、現在の日本国民全体の姿をみるべきだろう。


今、日本国民がなすべきことは、日本国憲法の原理から政権の非立憲的な政治手法を批判することである。わたしたちのような取組みが全国各地で無数に積み重ねられ、国会で憲法改正の発議をめざす動きを封じ込めてきた。それこそ、過去の日本国民の意思を受け継ぎ、現在および未来の日本国民のための活動だといえるだろう。


2019年は、安倍政権の非立憲主義に対峙する重要な年になるだろう。わたしたちは、今年も、粘り強く、立憲主義を守るための活動をしていきたい。


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