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第50回シンポジウム:アピール文


新安保法制の撤回を求める信州大学人の会は、新安保法制の審議が国会でおこなれていた2015年7月に発足しました。その理由は、新安保法制の制定過程が、戦後長期にわたって蓄積されてきた憲法上のルールを意図的に破ろうとするものであったからです。「真理と平和の追究に従事する私たち大学人」(呼びかけ文)にとって、この事態は許容しがたいものでした。当時、全国の大学で同様の動きがあり、わたしたちの会も、憲法23条において保障された「学問の自由」のもとに活動を始めました。


わたしたちは、その後、月に一度のシンポジウムを継続してきました。そのテーマは、新安保法制に直接かかわるものだけではなく、戦争責任、日米関係、原子力、軍事、アベノミクス等、多岐にわたっています。今回、50回目のシンポジウムを迎えるにあたって、これまでの議論の広がりを踏まえ、これからの議論の展開を考えると、「新安保法制の撤回」を掲げる本会の名称についても検討する時期に入っているという認識を持つに至りました。


名称の変更は、「新安保法制の一見明白な違憲性」という問題をぼかすものであってはなりません。むしろ、そのことを前提としながら、広く、平和と憲法の価値を社会的に共有するための学問的活動をおこなうという本会の目的を明示するものでなければなりません。


平和、自由、平等、福祉という価値を国家の基本原理とした1946年憲法の価値は、日本国憲法の下に生きるすべての市民にとって、かけがえのないものであるはずです。先日の参議院選挙の結果、改憲勢力が憲法改正の発議に必要な3分の2議席を下回りました。さらに、各社世論調査によれば、多くの市民が改憲よりも社会保障の充実を積極的にもとめていることも明らかになっています。憲法が大切にしている価値を共有しながら、様々な問題に、より多くの人たちと共に取り組んでいくために、本会はこれからも自由な議論の場をまもり続けてゆきます。

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