第19回シンポジウム:アピール文
【2017年1月10日 第19回シンポジウムにて発表】
2017年の年が明けた。
安倍首相は、年頭のあいさつで、「積極的平和主義の旗をさらに高く掲げ、日本を世界の真ん中で輝かせる」と述べた。2016年には、違憲の新安保法制が施行され、紛争地域である南スーダンに自衛隊が送られた。これが、安倍流「積極的平和主義」である。
したがって、首相の言葉は、日本を再び武力によって世界の真ん中で輝かせようという恐るべき主張である。このことを、まず、指摘しておきたい。
日本国憲法をもつ日本国がめざすべきなのは、そのような「ギラリとした大国」(奥平康弘)ではないはずである。本来の積極的平和主義とは、軍事力によらず、国内外の社会構造による貧困・飢餓・抑圧・疎外・差別などの構造的暴力のない状態を積極的に作り出そうとする思想である。これこそ、日本国憲法の目指す平和主義である。
わたしたちは、本年も、学問の自由を基軸にした批判的精神によって、日本国憲法をいかすための活動をしていきたい。

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