第7回シンポジウム:アピール文
【2016年1月12日 第7回シンポジウムにて発表】
2016年は、この国の行方を決定する年になるだろう。】
憲法とは国民が制定し、維持していくものである。国会議員や内閣総理大臣等の公務員は、憲法に従って行動する義務がある(99条)。しかし、安倍体制は、1954年の自衛隊創設以来、60年にわたってなされてきた政府の憲法解釈を簡単に変更し、集団的自衛権を容認する新安保法制を成立させた。また、新安保法制制定後は、憲法53条で規定されている野党の要求を無視して、臨時国会の召集を決定しなかった。
今年行われる予定の国政選挙では、有権者が意識しようとしまいと、このような非立憲的な政治が問われざるをえない。また、安倍首相は、ついに明文改憲を選挙の争点としようとしているが、具体的な案として想定される緊急事態条項の導入は、まさに、立憲主義の例外を認めるということである。非立憲的な政権に、例外状態の判断を任せたらどうなるかは、火をみるより明らかであろう。事態はかなり深刻だといわざるをえない。
憲法を無視して政治が独走することを国民が許容するならば、最終的に被害を被るのは国民自身であることは歴史が証明している。わたしたちは、学問研究の立場から、日本がそのような道をたどることのないよう、今年も警鐘を鳴らしていきたい。
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